重症UCから完全寛解した当事者の全記録潰瘍性大腸炎回復ラボ
ラボノート記録2026年8月28日 公開

便中カルプロテクチンとは|潰瘍性大腸炎の私の実測値824→25.5

便中カルプロテクチンは、便を提出するだけで、腸の炎症の強さを数字で見られる検査です。採血も、内視鏡もいりません。

私の場合は、血液検査では15か月間ずっと「異常なし」でした。それなのに、この便の検査では824という高い数字が出ました。血液には出なかった炎症が、便には出ていたのです。

この記事では、その検査結果を3回分、実物のままお見せします

先に、この記事の結論から書いておきます。

この記事の結論

  • 血液検査で「異常なし」でも症状が続くなら、便中カルプロテクチンを主治医に相談してください
  • 私の実測値は824から基準値内の25.5まで動きました。血液に出ない炎症が、便には出ることがあります
  • 保険で受けられます。私の検査費用は1回804円でした(原則3か月に1回まで)

カルプロテクチンとは何か、基準値と保険のルール、そして数字が824から25.5まで下がるあいだに何があったかを、順に書きます。

※ 私個人の検査記録にもとづく体験談です。検査や治療の判断は、必ず主治医に相談してください。

便中カルプロテクチンの実測値|私は824から25.5まで下がりました

便中カルプロテクチンの3回分の実測値の推移。100.4、824、25.5

まず、実物からお見せします。私が便中カルプロテクチンを測った記録は3回分あります。

1回目

結果
100.4
判定
基準値(50)を超える

2回目(3か月後)

結果
824
判定
潰瘍性大腸炎の目安(300)も超える

3回目(さらに2か月後)

結果
25.5
判定
基準値内

2回目に824まで跳ねて、そこから2か月で基準値内の25.5まで下がりました。

この数字が何を測っているのか。まず、検査そのものから説明します。

※ 1回目と3回目は地元のかかりつけ経由の検査会社、2回目は広島のクリニックで受けたものです。単位はどれも同じ重さあたりの量(mg/kg=μg/g)なのでそのまま比べられますが、測った機関は同じではありません。

便中カルプロテクチンとは|便でわかる腸の炎症の数字

腸に炎症があるとカルプロテクチンが便に出てくる仕組みの図

便中カルプロテクチンとは、腸に炎症があると便の中に増えるタンパク質です。炎症の場所に集まる白血球から出てくるとされています。

※ 出典:LSIメディエンス「便中カルプロテクチン」検査案内/サーモフィッシャー 患者向け冊子(東京女子医科大学IBDセンター監修)。カルプロテクチンは白血球のひとつ・好中球に多く含まれるタンパク質です。

血液検査で炎症を見る数字に、CRPというものがあります。違いは、映す範囲です。CRPが全身の炎症を血液ごしに見るのに対して、便中カルプロテクチンはの炎症を便から直接見ます。

だから、大腸の粘膜に限られた炎症——つまり潰瘍性大腸炎の炎症が、血液には出なくても、便には出ることがあるのです。

便中カルプロテクチンの基準値|50以下・潰瘍性大腸炎では300が目安

検査報告書の基準値の列。基準値50.0以下、UC病態把握補助300.0以下、CD病態把握補助80.0以下

私の検査結果表には、区切りになる数字(カットオフ)が3つ書かれていました。

基準値

数字
50.0以下
何を見るライン
腸に炎症がないかの目安

潰瘍性大腸炎の目安

数字
300.0以下
何を見るライン
病状が落ち着いているかの目安

クローン病の目安

数字
80.0以下
何を見るライン
クローン病の人での目安

つまり同じ数字でも、腸に炎症がないかを見るラインと、潰瘍性大腸炎が落ち着いているかを見るラインは別です。

私の検査それぞれで考えてみると、こうなります。

  • 1回目の100.4:300以下なので、潰瘍性大腸炎としては「落ち着いている」目安の中。ただし基準値の50は超えている
  • 2回目の824:300を大きく超えているので、「炎症が強い」目安
  • 3回目の25.5:50以下なので、基準値の中に入っている

※ 基準値・カットオフは検査機関によって異なります。数字の読み方は主治医に確認してください。

便中カルプロテクチンの保険と費用|原則3か月に1回・1回804円

私の便中カルプロテクチンの検査費用は、1回804円でした。

ただし、保険が使える回数にはルールがあります。原則3か月に1回まで。同じ月に内視鏡も受けた場合は、どちらか一方(主たるほう)しか保険で数えられません。

一緒に測ることの多い便潜血(便に血が混ざっていないかの検査)は111円で、こちらは回数の縛りがゆるく、もっと細かく受けられます。

私は、便中カルプロテクチンを3〜4か月に1回のペースで受けています。保険で数えられるのが原則3か月に1回なので、そのペースに合わせています。受ける間隔は、主治医と決めてください。

※ 出典:厚生労働省 医科点数表 D003「カルプロテクチン(糞便)」268点。病態把握の目的では3か月に1回が上限(医学的に必要なら月1回・要記載)。大腸内視鏡と同じ月は主たるもののみ算定。

検査費用の内訳や、内視鏡・薬も含めた1年間の実額は、別の記事にまとめています。

検査費用の実額は、この記事にまとめています

潰瘍性大腸炎の治療費はいくら?|私が払った実額を全部公開します

潰瘍性大腸炎の治療費が実際いくらかかるのか。

記事を読む

CRPとの違い|私が便の検査を軸にした理由

CRPは基準値以下のまま、便中カルプロテクチンは824まで上がったことを対比した図

CRPは、血液検査で炎症を見る、いちばん基本の数字です。私のCRPは、15か月・17回の採血すべてで「0.10未満」。血便が続いていた時期も、一度も動きませんでした。

だから私は、腸の状態を追う数字を、血液ではなく便に置いてきました。便中カルプロテクチンと便潜血。この2つを軸にすることは、漢方で通っていた広島の先生から教わりました

内視鏡は、診断や節目の確認に欠かせない検査です。そのうえで、ふだんの状態を追う数字として、私は便の検査を使ってきました。

CRPが動かなかった15か月分の結果表は、別の記事に全部載せています。

CRPが上がらなかった15か月の記録は、この記事に書いています

潰瘍性大腸炎でCRPが上がらない|私の実測データ15か月分を公開

血液検査は15か月ずっと「異常なし」。

記事を読む

ここから先は、カルプロテクチンの検査をした3度の時期に体で何が起きていたか、先生から何と言われたか、数字が下がった時期に薬をどう変えていたか、そして基準値内まで下がった時期に何をしていたのかを書きます。

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よくある質問

Q. 便中カルプロテクチンの基準値はいくつですか?

A. 私の検査結果表では基準値は「50.0以下」、潰瘍性大腸炎の病態把握のカットオフは「300.0以下」と書かれていました。基準値は検査機関によって異なります。

Q. 便中カルプロテクチンは保険で受けられますか?

A. 潰瘍性大腸炎では保険で受けられます。私の検査費用は1回804円でした。保険で数えられるのは原則3か月に1回までというルールがあります。

Q. CRPが正常でも便中カルプロテクチンは上がりますか?

A. 私の場合、血液のCRPは15か月ずっと基準値以下のままでしたが、便中カルプロテクチンは824まで上がったことがあります。腸に限られた炎症は、血液より便の検査に映ることがあるとされています。