重症UCから完全寛解した当事者の全記録潰瘍性大腸炎回復ラボ
東洋医学体験談2026年8月12日 公開

潰瘍性大腸炎に鍼灸は効く?|論文を調べて、私は受けませんでした

「潰瘍性大腸炎 鍼灸」で検索すると、出てくるのは鍼灸院のページばかりです。実際に上位を数えたら、9件中9件が施術を売っている側のサイトでした。1位のタイトルには「改善率93.5%」と入っています。

私は、東洋医学を疑っているわけではありません。漢方は3年続けて、実際に助けられました。だから鍼灸も、受けるつもりで調べはじめました。

治療指針に書かれているか。世界にどんな論文があるか。保険は使えるのか。いくらかかって、どこで受けられるのか。

一通り調べて、私は受けないことにしました。

この記事は、その判断にたどり着くまでに見たものを、全部置いておくためのものです。同じことを迷っている人が、自分で決められるように書きました。

調べて分かったこと

  • 日本の治療指針にも、IBD診療ガイドラインにも、鍼灸の記載はありません
  • 偽鍼と比べた試験は世界で4本。いちばん引用されるものは29人
  • 健康保険は使えません。対象6疾患に潰瘍性大腸炎は入っていません
  • 自費で1回3,000〜10,000円大学病院にも鍼灸外来があります

※ 私個人(潰瘍性大腸炎の当事者)が調べた記録です。医療者ではありません。鍼灸を否定する目的の記事ではありません。調べたことをそのまま置いて、判断の材料にしてもらうための記事です。

潰瘍性大腸炎に鍼灸は効く?|日本の治療指針に、記載はありません

日本と海外の診療ガイドラインにおける鍼灸の記載の有無を表した図

まず、公式な文書がどう扱っているかから調べました。日本と海外のガイドラインを、PDFで取ってきて全文検索しています。

厚生労働省

文書
診断基準・治療指針(令和7年度改訂版・104ページ)
記載
なし

日本消化器病学会

文書
IBD診療ガイドライン2020(168ページ)
記載
なし

難病情報センター

文書
潰瘍性大腸炎(指定難病97)
記載
なし

米国 ACG

文書
UCガイドライン 2019/2025
記載
なし

米国 AGA

文書
UCガイドライン 2019/2020
記載
なし
「鍼」「灸」の出現回数は、いずれも0でした。

同じ文書で「ステロイド」は166回ヒットするので、検索が効いていないわけではありません。書かれていない、ということです。

とくに米国のAGAは、クルクミンを19回、プロバイオティクスを28回扱っています。補完療法に触れたうえで、鍼灸は入れていないということになります。

欧州は否定、ドイツだけが「用いてもよい」

海外では2つ、鍼灸に触れている文書がありました。

欧州消化器学会(ECCO)は、補完医療のトピカルレビューでこう書いています。

活動期の潰瘍性大腸炎・クローン病の治療に、灸と鍼を(単独でも併用でも)用いることを支持する十分なエビデンスはない

出典:ECCO Topical Review on Complementary Medicine and Psychotherapy in IBD(2019)

一方で、ドイツのガイドラインだけが「軽症〜中等症の再燃期に、補完的に用いることができる」としています。世界で唯一の推奨です。

ただし中身を見ると、推奨度は3段階でいちばん弱いもので、根拠にしている論文は29人の試験1本だけでした。

※ 2023年に発表された系統的レビューでは、世界のIBD診療ガイドライン49本のうち、鍼灸を推奨に含めていたのは1本だけと報告されています(BMC Complement Med Ther. 2023;23:230)。プロバイオティクスは11本、便微生物移植は5本でした。

では、その根拠になっている研究はどういうものなのか。次に論文を見ていきます。

潰瘍性大腸炎 鍼灸の論文|偽鍼と比べた試験は、世界で4本でした

潰瘍性大腸炎に対する鍼灸の臨床試験の規模と比較対象を表した図

「潰瘍性大腸炎 鍼灸 論文」は、実際に検索されている言葉です。根拠を知りたい人がいるということなので、そこを調べました。

最初に探したのが、コクラン・レビューです。世界中の臨床試験を集めて質を評価し、「結局のところ効くのか」をまとめている国際的な組織があり、そのまとめをこう呼びます。医療の世界では、いちばん信頼される要約として扱われています。

鍼灸のコクラン・レビューは112本ありましたが、潰瘍性大腸炎を扱ったものは1本もありませんでした。

次に探したのが、本物の鍼と「偽鍼」を比べた試験です。偽鍼というのは、ツボではないところに浅く刺すなどして、受ける側に本物と区別がつかないようにしたものを指します。これと比べないと、鍼そのものの効果なのか、受けたという安心感なのかが分かりません。

偽鍼と比べた試験は、世界で4本しか見つかりませんでした。

Joos 2006(ドイツ)

人数
29
結果
主要指標のみ差がついた(p=0.048)。QOL・炎症マーカーは差なし

Zhou 2009(中国)

人数
123
結果
灸の群で差がついた。ECCOは「患者背景の記載がなく解釈できない」と評価

Qi 2021(中国)

人数
63
結果
内視鏡スコアなどで差。ただし粘膜の組織像は偽灸の群でも改善

Horta 2020(スペイン)

人数
52
結果
寛解期の倦怠感が対象。電気鍼と偽鍼で、統計的な差なし

いちばん引用されるのが、いちばん上のJoos 2006です。ドイツのガイドラインが根拠にしているのもこれです。

ただ、論文の中で著者自身がこう書いています。

本物の鍼と偽鍼の差は小さく、主要評価項目についてのみ有意だった。本物・偽鍼ともに、追加的な治療的ベネフィットをもたらすようにみえる

出典:Joos S, et al. Scand J Gastroenterol. 2006;41(9):1056–63

人数の多いメタ分析はある。ただし全部が中国の研究

もっと大きな数字もあります。1,030人分のメタ分析(Wang 2020)です。

ただし本文にこう書かれています。「含まれた13試験はすべて中国で実施され、すべて中国語で発表された」。そして偽鍼と比べたものは、13本のうち1本もありませんでした。比較対象はすべて薬です。

灸だけを扱ったメタ分析(Lee 2010、5試験407人)も同じで、偽灸と比べたものは0本でした。

そして2024年に、これらのレビューをまとめて品質評価し直した論文が出ています。

10本のレビューのうち、高品質と判定されたものは0本。8本が「極めて低い品質」でした。

※ 出典:Heliyon. 2024;10(6):e27524。AMSTAR-2という評価ツールによる判定です。格下げの主な理由は、盲検化・割付隠蔽・ランダム化の不備でした。

いちばん分かりやすかったのは、2025年の試験計画書

調べていて、いちばんはっきりしていたのがこれでした。2025年に発表された、これから始める試験の計画書です。

その論文の「本研究の強み」の欄に、こう書いてあります。

本研究は、軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎に対する鍼治療の効果と安全性を評価する、初めての厳密に設計されたランダム化偽鍼対照試験である

出典:BMJ Open. 2025;15(2):e094301
2025年の時点で「初めて」ということは、それまで無かったということです。

試験の数と質を見るかぎり、効果を示せたものはまだありません。それでも「鍼灸が効く仕組み」の説明はよく目にするので、そちらの根拠も確かめました。

潰瘍性大腸炎に効くツボは?|「ツボで効き方が違う」の研究は、マウスでした

自律神経を介した抗炎症の研究がどの対象で行われたかを表した図

鍼灸が効くとされる説明で、いちばんよく出てくるのが自律神経です。「迷走神経を介して炎症が抑えられる」という話で、コリン作動性抗炎症経路と呼ばれています。

この経路そのものは、Nature誌などで確立された生理学です。疑わしい話ではありません。

ただ、それぞれの研究が何を対象にしていたのかを並べると、こうなります。

ラット

研究
Borovikova 2000
中身
そもそもの発見。神経に直接電極をあてた実験で、鍼は使っていない

マウス

研究
Torres-Rosas 2014
中身
電気鍼で全身の炎症が抑えられた(敗血症のモデル)

マウス

研究
Liu 2021
中身
ツボによって効き方が違うことを、神経の仕組みから示した

ラット

研究
Liu 2026
中身
潰瘍性大腸炎そのもの。ただし薬品で人工的に大腸炎を起こしたモデル

ヒト

研究
Bonaz 2016 ほか
中身
クローン病の患者7人・9人に、手術で電極を埋め込んだ非対照の試験。鍼ではない
「ツボによって効き方が違う」を神経の仕組みから示した2021年のNature論文も、マウスの実験です。 潰瘍性大腸炎の患者で、鍼灸がこの経路を通じて炎症を抑えたことを示したヒトの試験は、確認できませんでした。

ここまでが、効果の話です。ここからは、実際に受けるとしたらどうなるのかを書きます。

潰瘍性大腸炎で鍼灸に保険は使える?|対象6疾患に、入っていません

はり・きゅうの療養費の対象6疾患と潰瘍性大腸炎の関係を表した図

はり・きゅうにも健康保険(療養費)の制度があります。ただし、使えるのは厚生労働省が定めた6つの病気だけです。

神経痛  リウマチ  頸腕症候群  五十肩  腰痛症  頸椎捻挫後遺症

この中に、潰瘍性大腸炎はありません。消化器の病気は、ひとつも入っていません。

そしてもうひとつ、知らないと損をしそうな決まりがあります。

同意する疾病について、処置や投薬等の治療を行う場合には、治療が優先されるため、患者は、はり、きゅうの療養費の支給を受けることができません

出典:厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱いを改めてお知らせします」令和7年4月版

つまり、その病気で薬を処方されている間は、保険と併用できません。潰瘍性大腸炎で薬を飲んでいる人は、この時点で対象外になります。

同意書についても決まりがあります。

医師の同意書

内容
必須。保険医が診察したうえで交付する。電話再診での交付は不可

有効期間

内容
6か月。続けるには、もう一度診察を受けて書き直してもらう

「その他」欄

内容
6疾患と同じ範囲、または慢性的な痛みが主な症状なら医師が同意できる。ただし支給されるかは保険者が個別に判断する

※ 出典:厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱いを改めてお知らせします」令和7年4月版、全国健康保険協会「はり・きゅう、あん摩・マッサージのかかり方」。腰痛など別の病名で同意を受けるケースはありますが、それは潰瘍性大腸炎に保険が下りているわけではありません。

保険が使えないなら、実際いくらかかるのか。そこも調べました。

潰瘍性大腸炎で鍼灸を受けるなら|費用と、大学病院の鍼灸外来

鍼灸の費用の幅と、大学病院の鍼灸外来があることを表した図

公的な料金の統計はありません。なので、複数の施術所と大学附属施設が公開している価格を集めて、幅で出しました。

初診料・問診

金額の幅
0〜3,000円
備考
初回だけ。0円のところもある

施術1回(一般の鍼灸院)

金額の幅
3,000〜10,000円
備考
1回30〜60分

施術1回(大学病院)

金額の幅
3,300〜11,000円
備考
紹介状が要るところもある

初回の総額

金額の幅
4,000〜14,000円
備考
初診料+施術1回

※ 2026年8月時点で公開されていた価格です。施術所によって幅があります。

病院の中にも、鍼灸外来があります

これは調べるまで知りませんでした。大学病院に鍼灸外来があります。

千葉大学

部門
医学部附属病院 和漢診療科 鍼灸外来
料金
1回6,600円。紹介状が必要

筑波技術大学

部門
東西医学統合医療センター 鍼灸外来(国立)
料金
1回3,300円

北里大学

部門
東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センター
料金
初診4,400円+施術7,150〜11,000円

東京女子医科大学

部門
附属東洋医学研究所 鍼灸臨床施設
料金
初診9,900円/再診7,700円

東邦大学

部門
医療センター大森病院 東洋医学科 鍼灸外来
料金
自費
ただし、確認できた5施設はすべて自費でした。

制度上そうなっていて、たとえば千葉大学は「鍼灸外来を受診される日は、他科も含めてすべての保険診療を受けられない」と明記しています。

筑波技術大学は、同じセンターの中に消化器内科があり、鍼灸外来は「診療部門と連携を図りながら」対応すると書かれています。千葉大学は、適応のある症状の一覧に潰瘍性大腸炎を挙げています(効果を示すデータが提示されているわけではなく、扱う症状として挙げられている、という意味です)。

資格者を探すなら

はり師・きゅう師は国家資格です。根拠は「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」で、3年以上学んだうえで国家試験に合格する必要があります。

一方で、整体・カイロプラクティック・リラクゼーションには国家資格が存在しません。公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会は、「『厚生労働省認定』といった、あたかも公的な資格であるかのような広告に注意してください」と書いています。

資格を持っている人を探せる入口は、こちらです。

鍼灸ネット

運営
日本鍼灸師会(免許を確認したうえで登録・約6,000名)
サイト
hariq.net

認定者検索

運営
全日本鍼灸学会
サイト
jsam.jp

鍼灸net

運営
4団体の共同ポータル
サイト
shinkyu-net.jp
受けるとしたら知っておきたいことが、もうひとつあります。

鍼治療をしてはいけない人は?|ステロイドを飲んでいる人は、名指しされています

鍼灸安全対策ガイドラインで注意が必要とされている人を表した図

Googleの「関連する質問」に「鍼治療をしてはいけない人は?」が出てきます。ここは、鍼灸院のページには書きにくいところだと思うので、調べました。

出典は『鍼灸安全対策ガイドライン2025年版』です。全日本鍼灸学会の安全性委員会が出していて、全文が無料で公開されています。

易感染性患者(糖尿病患者、ステロイド服用者など)への施術後に感染症を発症した例が報告されている。病態が安定しない場合は、施術の適否について医師の判断を仰ぐべきである

出典:鍼灸安全対策ガイドライン2025年版(公益社団法人 全日本鍼灸学会 安全性委員会)
ステロイドを飲んでいる人は、名指しで挙げられています。

潰瘍性大腸炎の治療でプレドニンを使っている人は、ここに当てはまります。抗凝血剤を使っている人発熱している人についても記載があります。

頻度のほうも見ておくと、こうなっています。

日本鍼灸学会(2017)

分かっていること
14,039件の施術で、有害事象は6.03%。最多は皮下出血で2.64%。重篤な事象と感染は0件

White 2004

分かっていること
100万件を超える累積レビューで、重篤な有害事象は施術1万件あたり0.05件

重篤なものは稀です。ただし同じガイドラインは、「鍼を身体に刺入するという性質上、副作用を完全に防ぐことは困難である」とも書いています。

「好転反応」と言われたときだけ、気をつけてください

「潰瘍性大腸炎 鍼灸」のサジェストに「好転反応」が出てきます。私も、そういう説明があるのは見聞きしたことがあります。

ただ、潰瘍性大腸炎の場合、症状が強くなったときに「好転反応です」と言われて様子を見るのは、避けたほうがいいと思っています。血便や下痢の悪化は、炎症そのものの悪化と区別がつかないからです。

お腹の症状が強くなったときは、施術を続ける前に主治医に連絡してください。そして、鍼灸を受けることは主治医に伝えておいてください。

ここまでが、調べたことです。最後に、それを踏まえて私がどう考えているかを書きます。

私が鍼灸を受けていない理由|筋肉をゆるめることと、腸の炎症が結びつきません

鍼灸を筋肉をゆるめるものと捉えていて腸の炎症と結びつかないという考えを表した図

私は、鍼灸を「筋肉をゆるめるもの」だと思っています。ストレッチに近いものだ、という認識です。

そのストレッチをしたところで、腸壁の中の炎症が収まるとは思えませんでした。

一方で、まったく関係ないとも思っていません。交感神経と副交感神経の切り替えがうまくなる、という側面はあると思っていて、そこがうまくいけば腸の回復が促されるとか、リズムが良くなるという方向はあり得ると考えています。

ただ、間接的すぎます。

サウナのほうが好きで、しかも安いからです

もうひとつ、はっきりした理由があります。同じ「自律神経の切り替え」を狙うなら、私はサウナのほうが好きです。

そして金額です。鍼灸は1回3,000〜10,000円で、保険も使えません。サウナと比べると、圧倒的に高い。

効果がはっきりしないものに、その金額を継続的に払う判断ができませんでした。

私が代わりに続けているほう

潰瘍性大腸炎と自律神経|腸が回復する時間を、どう作るか

潰瘍性大腸炎と自律神経の関係を、生理学の一次情報で調べました。

サウナと自律神経の記録を見る

それでも、今後受ける可能性はあります

受けない、と決めているわけではありません。

いま漢方で良くなってきているので、その補助としてなら受けると思います。あとは単純に、全身のこりをほぐしに行くついでに、という形もあると思っています。

そういう入り方なら、私はありだと考えています。

まとめ(私の場合)

  • 日本の治療指針にも、IBD診療ガイドラインにも、鍼灸の記載はありません(全文検索で0件)
  • 偽鍼と比べた試験は世界で4本。いちばん引用される試験は29人で、著者自身が「偽鍼との差は小さい」と書いています
  • 「自律神経に効く」の根拠になっている研究は、ほとんどがマウスとラットです
  • 健康保険は使えません。対象6疾患に潰瘍性大腸炎は入っておらず、薬を飲んでいる間は併用もできません
  • 自費で1回3,000〜10,000円大学病院にも鍼灸外来があります(いずれも自費)
  • ステロイドを飲んでいる人は、学会のガイドラインで名指しで注意されています

私は鍼灸を「筋肉をゆるめるもの」だと思っているので、それで腸の炎症が収まるとは考えていません。自律神経の切り替えという道筋なら分からなくもないのですが、間接的すぎます。

そして同じことを狙うなら、私はサウナのほうが好きですし、金額も違いすぎました。だから受けていません。正直に書くと、あまり推奨していません。

ただ、漢方の補助として、あるいは全身のこりをほぐすついでにということなら、受けると思います。この記事は「やめておいたほうがいい」という話ではなく、私はこう考えて受けていない、という記録です。

よくある質問

Q. 潰瘍性大腸炎に鍼灸は効きますか?

A. 日本の公式な治療指針(厚生労働省の研究班『潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針』令和7年度改訂版、日本消化器病学会『IBD診療ガイドライン2020』)に、鍼灸の記載はありません。全文を検索しましたが「鍼」「灸」の出現は0件でした。欧州消化器学会(ECCO)は「活動期の潰瘍性大腸炎に鍼灸を用いることを支持する十分なエビデンスはない」としています。※これは一般論で、個々の判断は主治医にご相談ください。

Q. 潰瘍性大腸炎の鍼灸に、健康保険は使えますか?

A. 使えません。はり・きゅうで療養費(健康保険)の対象になるのは、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患だけで、潰瘍性大腸炎は入っていません。さらに厚生労働省は「同意する疾病について処置や投薬等の治療を行う場合には、治療が優先されるため、療養費の支給を受けることができない」としています。

Q. 鍼灸の費用はいくらくらいですか?

A. 自費なので施術所によって違います。複数の施術所と大学附属施設の公開価格を集計すると、1回あたり3,000〜10,000円ほど、初回はこれに0〜3,000円ほどの初診料が乗るのが一般的でした(2026年8月時点)。1回の時間は30〜60分が中心です。

Q. 潰瘍性大腸炎に効くツボはありますか?

A. 「ツボによって効き方が違う」ことを神経の仕組みから示した研究は2021年にNature誌に出ていますが、これはマウスの実験です。潰瘍性大腸炎の患者で、特定のツボへの施術が炎症を抑えたことを示したヒトの試験は確認できませんでした。

Q. 鍼灸を受けてはいけない人はいますか?

A. 『鍼灸安全対策ガイドライン2025年版』(全日本鍼灸学会)は、易感染性患者として糖尿病の人とステロイド服用者を名指しで挙げ、「施術後に感染症を発症した例が報告されている」「病態が安定しない場合は、施術の適否について医師の判断を仰ぐべきである」としています。抗凝血剤を使っている人、発熱している人についても記載があります。

Q. 病院で鍼灸を受けることはできますか?

A. できます。千葉大学医学部附属病院の和漢診療科、筑波技術大学の東西医学統合医療センター、北里大学東洋医学総合研究所などに鍼灸外来があります。ただし公式サイトで確認できた範囲では、いずれも自費でした。

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