
低FODMAPの効果|潰瘍性大腸炎の私に合わなかった食材の一覧
低FODMAP食は、お腹で発酵しやすい糖をいったん食事から抜いて、自分に合わない食材を1つずつ見つけていく方法です。
食べていいもの・避けるものの一覧が公開されていて、それを見ながら進めます。
ただ、やってみて分かったのは一覧のとおりにはいかないということでした。
私が反応した食材は、高FODMAPの4つの分類すべてにありました。そこは一覧のとおりです。でも同じくらいはっきりしたのが、一覧で「食べていい」側にある食材でも、私は下していたということでした。
この記事の結論
- 高FODMAPで合わなかったのは小麦・牛乳・果糖ブドウ糖液糖・人工甘味料・ねぎ・にんにく
- ねぎ・にんにくは、油に香りを移すか青ねぎの緑の部分を使えば食べられました
- 低FODMAPに分類されているじゃがいも・木綿豆腐も、私には合いませんでした
この記事では、食品の一覧と、一般的な方法、そして私が自分に合わない食材を見つけた手順を書きます。
※ 私個人(潰瘍性大腸炎の当事者)の体験の記録です。医療者でも管理栄養士でもありません。合う食べ物には個人差が大きく、食事の判断は必ず主治医・管理栄養士にご相談ください。
私が低FODMAPを始めた理由|過敏性腸症候群と言われていた

潰瘍性大腸炎になる前に、私は過敏性腸症候群(IBS)と診断されていました。低FODMAP食は、もともと過敏性腸症候群のために作られた方法です。
そのうえで、私はこう考えて始めました。
- 下痢そのものが、大腸に負担をかけているのではないか
- ガスが出て、便がゆるい状態が続いているうちは、腸の内側が回復しにくいのではないか
- だとしたら、この症状を減らすこと自体に意味があるのではないか
症状を減らすこと自体を、治療の一部として考えたということです。
ただ、低FODMAPで炎症が良くなるわけではありません。効くのはガス・張り・排便回数のほうです。
※ ヨーロッパのガイドライン(ECCO 2025)は、合意率100%で「潰瘍性大腸炎の寛解維持に使用を支持するエビデンスは存在しない」としています。低FODMAPが推奨されているのは「炎症が落ち着いていることを確認したうえで残る症状」に対してです。ガス・軟便・腹痛は再燃の症状とも重なるので、食事を疑う前に炎症を測ってください。/ここに書いた3つは私の考えで、裏づけとなる資料は確認できていません。出典:ECCO 2025 Statement 12/20.1、Cox SR 2020。
私が数字を測っていなかった話

アザニンの効果|「ほぼ寛解」と言われた日、排便回数は1日4回だった
潰瘍性大腸炎でアザニン(アザチオプリン)を2回使いました。
アザニンの記録を見る高FODMAP食品と低FODMAP食品の一覧|4つの分類で見る

FODMAPは、お腹で発酵しやすい4種類の糖の頭文字を並べた言葉です。
F
- 意味
- Fermentable=発酵性の
O
- 意味
- Oligosaccharides=オリゴ糖
D
- 意味
- Disaccharides=二糖類(乳糖)
M
- 意味
- Monosaccharides=単糖類(果糖)
P
- 意味
- Polyols=ポリオール(糖アルコール)
つまりO・D・M・Pの4種類が中身です。どの種類に反応するかは人によって違います。だから最初に全体を見ておくと、あとで自分の記録を読み解きやすくなります。
高FODMAP食品
オリゴ糖
- 食材
- 小麦(パン・パスタ)・大麦・ライ麦/玉ねぎ・にんにく・ねぎの白い部分/豆類(大豆・ひよこ豆)/アスパラガス/カシューナッツ・ピスタチオ
乳糖
- 食材
- 牛乳・ヨーグルト・ソフトチーズ・アイスクリーム・練乳
果糖
- 食材
- 果糖ブドウ糖液糖・はちみつ/りんご・梨・すいか・マンゴー/ドライフルーツ
ポリオール
- 食材
- きのこ類(マッシュルーム・椎茸)・アボカド/桃・さくらんぼ・プラム/ソルビトール・マンニトール・キシリトールなどの甘味料・シュガーレス菓子
低FODMAP食品
主食
- 食材
- 米・十割そば・オーツ麦・米麺・グルテンフリーパン
たんぱく質
- 食材
- 木綿豆腐・卵・肉・魚介・テンペ
野菜
- 食材
- にんじん・じゃがいも・なす・かぼちゃ・ほうれん草・きゅうり・青ねぎの緑の部分
果物
- 食材
- バナナ(かたいもの)・いちご・ブルーベリー・みかん・キウイ
乳製品
- 食材
- 硬質チーズ・バター・乳糖ゼロ牛乳
調味料・油
- 食材
- 醤油・砂糖・植物油・メープルシロップ・生姜
この2つの表を見て、自分がよく食べているものが、どちらにどれだけあるかを数えてみてください。私の場合、朝も昼も夜も、必ずどこかに高FODMAPが混ざっていました。小麦と牛乳を抜くだけで、1日の食事がかなり変わります。
そして注意点が1つ。この表は代表例だけです。量によって分類が変わる食材もあります。さつまいもは75gまでなら低FODMAPですが、112gを超えると高FODMAPになります。
※ 出典:モナシュ大学 公式食品リストほか、厚労科研 鈴木班『炎症性腸疾患患者さんの食事について Q&A』(2020年)表2。ネット上のFODMAP一覧は不正確なものが多いとモナシュ大学自身が注意しています。ブロッコリー・キャベツ・ナッツは、モナシュ大学と日本の資料で判定が食い違っているため載せていません。
低FODMAP食の方法|除去・再導入・個別化の順番でやる

一般的な方法と、私が実際にやった手順を分けて書きます。
一般的な方法|除去 → 再導入 → 個別化
開発元のモナシュ大学が示している手順です。
1. 除去
- 何をするか
- 高FODMAP食品を減らして、症状が落ち着くか見る
- 期間
- 2〜6週間
2. 再導入
- 何をするか
- 1種類ずつ・3日ずつ食べ戻して、反応を見る
- 期間
- 8〜12週間
3. 個別化
- 何をするか
- 自分が食べられる範囲に落とし込む
- 期間
- ここが本番
再導入は、1つのFODMAPだけを多く含む単一の食品を選んで、3日間、量を増やしながら試します。1つ終わったら次、という進め方です。
※ モナシュ大学も厚生労働省研究班の資料も、管理栄養士に相談して行うことを求めています。
私の手順|疑って、抜いて、戻して確かめる

私は自己流ですが、流れそのものは同じでした。ただ順番が違います。最初から個別化をやっているイメージです。
1
- やったこと
- 調子が悪いとき、まず高FODMAPを疑う。1回の食事に食材は何種類も入っているので、分類ごとに見当をつける
2
- やったこと
- 疑ったものを抜く
3
- やったこと
- 変わらなければ、それは原因ではない。だから戻す
4
- やったこと
- 変われば、それが原因。そのまま抜き続ける
5
- やったこと
- 1〜4を繰り返す
除去と再導入を、食材ごとに小さく繰り返しているという形です。
前日の夜と同じものを、翌日の昼に食べる
これが私のいちばんの工夫です。理由ははっきりしています。
昼と夜で違うものを食べていると、いま出ている便がどの食事の結果なのか分からないからです。同じものを2回食べれば、いま出ている便がどの食材に当たるのかが絞れます。朝はあまり食べません。そのぶん変数が減ります。
つまり、食事の管理そのものを単純にしたということです。
本来の再導入は、①除去で症状が消えた状態から、②1つのFODMAPだけを多く含む単一の食品を、③3日間、④量を増やしながら試します。私はどれもやっていません。前日の夜から翌日の昼は間が近く、前夜の反応が持ち越されている可能性も消せません。
私は再導入をしていません

私は合わないと分かった食材を、戻していません。この先も戻すつもりがありません。
- 合わないと分かっているものを、わざわざ戻す意味がない
- 便の状態が完全に整えば戻せばいい。でも潰瘍性大腸炎だと、そこまで戻ることがなかなかありません
- 栄養は他で補えます。食物繊維も、低FODMAP側の食材から取れます
だから私にとっては、除去した状態が「個別化」の答えになっています。
※ ただしモナシュ大学は「IBDがあるならFODMAPの制限は最小限にすることを常に目指してほしい」としています。寛解期のIBD患者の試験では、4週間でビフィズス菌の2菌種(B. longum・B. adolescentis)と短鎖脂肪酸が減りました(総量は減っていません)。一方で、管理栄養士の指導下なら栄養素の摂取量は変わらず、6〜18か月の調整版でも食物繊維は減らなかったという報告もあります。長く続けるなら主治医・管理栄養士に相談してください。出典:モナシュ大学、Cox SR 2020、Staudacher HM 2020、O'Keeffe M 2018。
私に合わなかった高FODMAP食品|4つの分類すべてにあった

並べてみて、自分でも驚きました。きれいに4分類すべてにまたがっています。
オリゴ糖
- 私に合わなかったもの
- 小麦/ねぎ・にんにく
乳糖
- 私に合わなかったもの
- 牛乳
果糖
- 私に合わなかったもの
- 果糖ブドウ糖液糖(砂糖とは別物です)
ポリオール
- 私に合わなかったもの
- 人工甘味料(ソルビトールなどの糖アルコール系)
ここは一覧のとおりでした。理屈と体感が一致しています。
なお私は同じ時期に四毒抜きもやっていて、小麦と牛乳はどちらでも避けています。低FODMAPだけの効果としては切り分けられません。ちなみに四毒抜きで避ける4つのうち、FODMAPに当たるのは小麦と、乳糖を含む乳製品の2つです。植物油と砂糖はFODMAPではありません。
ねぎ・にんにくは、食べ方で変わりました
ねぎはもともとめちゃくちゃ好きでした。生で食べたり大量に食べたりすると下しますが、油に香りを移すか、部位を変えれば食べられます。
ねぎとにんにくのフルクタンは、水に溶けて、油に溶けません。だからモナシュ大学は、にんにくを油で炒めて香りだけ移し、にんにく自体を取り除いたオイルを低FODMAPとして認めています。青ねぎも、緑の部分は低FODMAP、白い部分は高FODMAPと分かれています。
ただし「水にさらせば食べられる」とは書けません。モナシュ大学の実験では、玉ねぎは水で加熱して71%減っても、なお低FODMAPの基準に届きませんでした。加熱だけでは減らず、3分を超えると逆に増える場合もあります。減る、と、食べられる、は別です。
※ 出典:モナシュ大学(食品リスト/甘味料/油脂/玉ねぎとにんにく/香りづけオイル/加熱の実験)、厚労科研 鈴木班Q&A 表2。
同じ時期にやっていた食事

潰瘍性大腸炎の四毒抜き|具体的な方法と、私の体に現れた変化
四毒(小麦・砂糖・乳製品・植物油脂)とは何か、どこまで根拠があるのか、どう抜くのか。
四毒抜きの記録を見る低FODMAPなのに合わなかった食材もありました

一覧どおりにいかなかったものもあります。
じゃがいも
- 標準の分類
- 低FODMAP(上限量なし)
- 私に起きたこと
- ガス・下痢
木綿豆腐
- 標準の分類
- 低FODMAP
- 私に起きたこと
- 合わなかった
さつまいも・干し芋
- 標準の分類
- 75gまでなら低FODMAP
- 私に起きたこと
- ガス・下痢
じゃがいもは、モナシュ大学が「どれだけ食べても青信号」としている数少ない食材です(にんじんも同じ扱い)。上限の量すら設定されていません。つまり「食べすぎたから」という説明が使えません。
木綿豆腐も、モナシュ大学でも厚生労働省研究班の資料でも低FODMAP側です。干し芋は測定データが公表されていないので、高いとも低いとも書けません。お菓子の代わりに食べていましたが、やめた途端にお腹の調子が良くなりました。
※ 出典:モナシュ大学ブログ(FODMAP stacking/Talking tofu)、厚労科研 鈴木班Q&A 表2。
まとめ(私の場合)
- 始めたきっかけは、潰瘍性大腸炎になる前に過敏性腸症候群と診断されていたことでした
- 一般的な方法は除去 → 再導入 → 個別化の順番。管理栄養士に相談して行うことが推奨されています
- 私の手順は疑って、抜いて、戻して確かめる。そして前日の夜と同じものを翌日の昼に食べて、どの食事の結果かを絞りました
- 私は再導入をしていません。合わないと分かっているものを戻す意味がないからです
- 高FODMAPで合わなかったのは小麦・牛乳・果糖ブドウ糖液糖・人工甘味料・ねぎ・にんにく。4つの分類すべてにありました
- じゃがいもと木綿豆腐は「低FODMAP」に分類されている食材ですが、私には合いませんでした
一覧で青信号の食材が、私には合わなかった。逆に言えば、赤信号のものが食べられる人もいるということです。一覧は出発点で、答えは自分の記録の中にありました。
よくある質問
Q. 高FODMAP食品には何がありますか?
A. 4つに分かれます。オリゴ糖(小麦・大麦・ライ麦・玉ねぎ・にんにく・豆類・アスパラガス)、乳糖(牛乳・ヨーグルト・ソフトチーズ・アイスクリーム)、果糖(果糖ブドウ糖液糖・はちみつ・りんご・梨・すいか・ドライフルーツ)、ポリオール(きのこ・桃・アボカド・ソルビトールやキシリトールなどの甘味料)です。
Q. 低FODMAP食品には何がありますか?
A. 米・十割そば・オーツ麦、木綿豆腐・卵・肉・魚、にんじん・じゃがいも・なす・かぼちゃ・ほうれん草、バナナ・いちご・みかん、硬質チーズ・バター、醤油・砂糖・植物油などです。にんじんとじゃがいもは、モナシュ大学が「どれだけ食べても低FODMAP」としている数少ない食材です。
Q. 砂糖や植物油はFODMAPですか?
A. どちらもFODMAPではありません。砂糖(ショ糖)はモナシュ大学も厚生労働省研究班の資料も低FODMAP側に挙げています。植物油は脂肪酸でできていて炭水化物を含まないため、FODMAPになりません。ただし果糖ブドウ糖液糖は砂糖とは別物で、こちらは高FODMAPです。
Q. 低FODMAP食のやり方を教えてください。
A. 除去・再導入・個別化の3段階です。まず高FODMAP食品を2〜6週間減らし(除去)、症状が落ち着いたら1種類ずつ3日ずつ食べ戻して反応を見て(再導入)、最後に自分が食べられる範囲に落とし込みます(個別化)。管理栄養士の指導のもとで行うことが推奨されています。
Q. ねぎやにんにくは加熱すれば食べられますか?
A. 加熱だけでは減りません。減るのは水に溶け出すからで、ゆでこぼして水を捨てれば減ります。ただしモナシュ大学の実験では、玉ねぎは71%減ってもなお低FODMAPの基準には届きませんでした。確実なのは、油に香りだけ移して具を取り除く方法と、青ねぎの緑の部分を使う方法です。


