重症UCから完全寛解した当事者の全記録潰瘍性大腸炎回復ラボ
東洋医学体験談2026年7月27日 公開

広島漢方とは|青黛が効く理論と副作用、私が3年飲んでやめるまで

広島漢方は、広島スカイクリニック(広島市南区)で処方されている、潰瘍性大腸炎向けの漢方です。私も実際に処方を受けて、3年ほど飲んで、いまはやめています。

先に、この記事の結論から書いておきます。

この記事の結論

  • 広島漢方の主成分は青黛(せいたい)とされています。黒に近い、藍色を濃くしたような錠剤です
  • 効く理論があり、プラセボと比べた試験でも効果が出ています
  • 私はゼポジアを飲みながら足して、血便が止まりました(便潜血1000超の状態から)

「漢方だから穏やか」という薬ではありません。効く力があるぶん、知っておいたほうがいいこともあります。そのうえで、私は使ってよかったと思っています。両方書きます。

この記事では、広島漢方とは何か → 私が通い始めたきっかけ → なぜ効くとされるのか → 副作用 → 私の3年間の順に書いていきます。

※ 私個人(潰瘍性大腸炎の当事者)の体験の記録です。医療者ではありません。効果には個人差があり、漢方を含めた治療の判断は必ず主治医にご相談ください。西洋医学の治療を自己判断でやめないでください。

広島漢方とは、青黛が主成分の錠剤

広島漢方の主成分が青黛であることを表した図

広島漢方は、広島スカイクリニックの天野医師が開発した、潰瘍性大腸炎向けの漢方です。市販されているものではなく、このクリニックでしか手に入りません。

見た目は、黒に近い錠剤です。青黛(=藍)が入っているので、藍色をうんと濃くしたような、黒っぽい色をしています。

主成分が青黛であることは、先生から聞きました。

ただ、それ以上の細かい配合や仕組みについては教えてもらえませんでした。特許にまつわる経緯があって、そこは話せない、という説明でした。

配合まで踏み込んで書かれている論文が、ひとつあります。

広島漢方は広島県のスカイクリニックの天野が開発した潰瘍性大腸炎の治療薬である。主成分は青黛が70%、象牙、真珠、牛の胆石を粉砕配合した合剤のカプセルである。

出典:三枝陽一ほか「広島漢方で寛解維持・粘膜治癒を認めた潰瘍性大腸炎の一症例」Progress of Digestive Endoscopy 2019;94(1)

青黛は、藍(あい)の葉を発酵させてつくる生薬です。もともとは染料の「藍」と同じもの。この先の効果や副作用の話は、すべてこの青黛についての話になります。

※ 論文には「カプセル」と書かれていますが、私が処方されたのは錠剤でした。広島漢方は改良が続いていると聞いているので、剤形も変わってきているのかもしれません。

私がここに通ったのは、友達が「もう治ってる」と言ったから

友人から潰瘍性大腸炎が良くなったと聞いたことがきっかけになった場面を表した図

きっかけは、論文でも検索でもありませんでした。友達です。

久しぶりに会った友達が、自分も潰瘍性大腸炎だったと打ち明けてくれたんです。私はまったく知りませんでした。そのうえで、彼はこう言いました。

そのあとで自分でも調べてみたら、効く理論が想像よりずっとしっかりしていた。これが二つめの理由です。

「友達が良くなった」という体験と、「筋道が通っている」という理論。この2つがそろったので、私は広島まで行くことにしました。

※ 友人から聞いた話です。潰瘍性大腸炎は「完治する」とされている病気ではありませんし、これも一人分の話です。ただ、私が動き出すきっかけになったのは事実なので、そのまま書いています。

青黛は「炎症を叩く」のではなく「腸を治す側を押す」

強い薬は炎症を叩き、青黛は腸を治す側を押すという役割の違いを表した図

調べていて「これは他の薬と違うかもしれない」と思ったのが、ここです。

生物学的製剤(注射の薬)やJAK阻害薬(飲み薬)のような強い薬は、「炎症を起こしている側を叩く」薬です。

それに対して青黛は、「腸を治す側を後押しする」方向にはたらくとされています。腸の表面を修復させるスイッチを押して、傷んだ粘膜を立て直していく、という筋道です。

叩くのではなく、治す側を押す。私が惹かれたのは、この役割の違いでした。

プラセボと比べた試験でも、効果が出ている

代替療法の多くは「体験談はあるが、比較試験はない」という状態です。青黛は、そこが違います。

日本の複数の病院で行われた二重盲検のランダム化比較試験(本人にも医師にも、本物か偽物かを伏せて行う試験)があります。活動期の潰瘍性大腸炎の患者86人が対象で、8週間の結果はこうでした。

偽薬(プラセボ)

症状が良くなった人
13.6%
内視鏡で粘膜が治った人
13.6%

青黛 0.5g/日

症状が良くなった人
69.6%
内視鏡で粘膜が治った人
56.5%

青黛 1.0g/日

症状が良くなった人
75.0%
内視鏡で粘膜が治った人
60.0%

青黛 2.0g/日

症状が良くなった人
81.0%
内視鏡で粘膜が治った人
47.6%

偽薬の 13.6% に対して、青黛は最大 81.0%。しかも症状だけでなく、内視鏡で見た粘膜まで治っています。

さらに、ステロイドや生物学的製剤が効かなかった難治の人にも効いた、という追加解析も出ています。

※ 出典:Naganuma M, et al. Gastroenterology. 2018;154(4):935-947./難治例の解析は J Gastroenterol. 2020;55:169-180. 仕組みの部分(AhR → IL-22 → 粘膜修復)はマウスの実験と人の腸の組織を調べた研究で示されているもので、「だから治る」と証明されたわけではありません。

広島漢方の副作用について、先生から聞いたこと

同じスイッチが腸では治す方向に、肺では血管を狭くする方向にはたらくことを表した図

まず、私が診察のなかで先生から直接聞いた話から書きます。

広島漢方はいまも改良が続いていて、精度が上がっているとのことでした。そのうえで、こう説明を受けています。

  • いま出ている副作用は、頭痛と腹痛くらい
  • 肺高血圧症が出た人は、いまはほとんどいない
  • 副作用が出たときの対処も、うまくいくようになっている

実際、私自身も3年飲んで、副作用は何も出ませんでした。頭痛も腹痛も、肝機能の異常もありません。

※ これは私が診察で聞いた話で、論文や公的資料で確かめられたものではありません。以下は過去の調査に基づく報告です。どちらか一方だけを見ずに、両方あることを知ったうえで主治医と相談してください。

そのうえで、過去に報告されていること

青黛が押すスイッチは、腸だけにあるものではありません。全身の細胞にあります。肺の血管でこのスイッチが強く押されると、血管の壁の細胞が増えて内側が狭くなり、肺動脈性肺高血圧症(PAH)という状態につながることがあります。

効く理由が、そのまま副作用の理由でもある——ここが青黛の特徴的なところです。だから2016年には、厚生労働省から注意喚起が出ています。要点は「自己判断で青黛を摂取せず、必ず医師に相談すること」。市販のサプリを自分で買って飲むのがいちばん危ない、ということです。

過去の全国調査(青黛を使っていた877人)で報告されている副作用は、こうなっています。

肝機能の異常

報告数
40例
補足
いちばん多い。多くは軽度で、やめれば戻る

消化器の症状

報告数
21例
補足
腹痛・吐き気など

頭痛

報告数
13例
補足
飲み始めに出やすい

肺高血圧症(PAH)

報告数
11例
補足
やめた人では回復している

腸重積

報告数
10例
補足
飲み始めて1か月前後に出た例がある

また、2022年に出た青黛のコンセンサスステートメントでは、原則2ヶ月程度で中止が目安とされ、それを超えて使うなら循環器内科・呼吸器内科と連携することが推奨されています。

始めるなら必ず主治医に相談してください。そしていつもと違う強い腹痛や、動いたときの息切れが出たら、我慢せずすぐ受診してください。

※ 出典:Naganuma M, et al. J Gastroenterol. 2019;54(10):891-896.(全国337施設・患者49,320人の調査)。この調査で青黛に関連した死亡例の報告はありませんでした。なお青黛は、日本消化器病学会の『炎症性腸疾患診療ガイドライン2020』には記載がありません(=標準治療ではありません)。

私が始めたときは、ゼポジアを飲んでも血便が残っていた

ゼポジアを飲んでいても血便と便回数が残り、便潜血の数値も高いままだった状態を表した図

私が広島漢方を始めたのは、ステロイドを終えて、ゼポジア(維持の薬)を飲んでいる最中でした。

このときの状態は、こんな感じです。

  • 血便は、普通に出ていました。止まってはいませんでした
  • 便の回数は1日5〜8回くらい。10回を超えるような、いちばんひどい時期ではありません
  • 便潜血の定量値は 1000

つまり、いちばんひどい状態ではないけれど、それなりにひどい。そして薬を飲んでいるのに、そこから動かない。ここをどうにかしたくて、広島まで行きました。

通い方はこうです。

私は初診で広島まで行きました。スカイクリニックの初診外来は、第二・第四火曜日の午後です。電話で仮予約をして、そのあとメールで本予約という流れでした。

初診のあとは、漢方は郵送で届きます。その後の診察はメールで、経過表を送ってやり取りする形です。遠方でも続けられるようになっていました。

そして、ここから何が起きたか。血便が止まり、数字が動き、3年かけていまはやめています。その経過と、実際にかかったお金を、ここから書きます。

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よくある質問

Q. 広島漢方はどんな見た目の薬ですか?

A. 私が処方されたのは、黒に近い、藍色をうんと濃くしたような色の錠剤でした。論文には「カプセル」と書かれていますが、私が受け取ったのは錠剤です。

Q. 広島漢方は保険が効きますか?

A. 私は初診で広島まで通院しましたが、そのときは診察もあわせて数千円で済みました。遠方で郵送してもらう場合は自費になります。具体的な金額は記事の後半に書いています。金額も条件も変わることがあるので、必ずクリニックに直接確認してください。

Q. 副作用はありますか?

A. 私が診察で聞いた話では、いまは改良が進んで、出ているのは頭痛と腹痛くらいとのことでした。一方で過去の全国調査では、肝機能の異常・腹痛・頭痛のほか、肺動脈性肺高血圧症(PAH)や腸重積の報告もあります。私自身は副作用が出ませんでしたが、必ず主治医に相談してから始めてください。

Q. どのくらいの期間飲むものですか?

A. 学会のコンセンサスでは「原則2ヶ月程度で中止」が目安とされています。私は3年飲みましたが、これは目安を大きく超えており、人に勧められるやり方ではありません。長く飲む場合は循環器内科・呼吸器内科との連携が推奨されています。