重症UCから完全寛解した当事者の全記録潰瘍性大腸炎回復ラボ
ラボノート記録2026年9月2日 公開

潰瘍性大腸炎でCRPが上がらない|私の実測データ15か月分を公開

血液検査のCRPは、炎症を映す数字としていちばんよく使われています。この記事では、私のCRPの実測データ15か月分と、潰瘍性大腸炎でCRPが上がらない理由、血液の代わりに何の検査で腸を見るとよいのかを書きます。

私の場合、腸の炎症はこの数字に一度も反映されませんでした。血便が続いていた時期も、内視鏡で重症と診断されたときも、CRPは基準値以下のままです。

先に、この記事の結論から書いておきます。

この記事の結論

  • CRPが正常でも症状が続くなら、便検査や内視鏡での確認を主治医に相談してください
  • 私のCRPは15か月・14回の採血すべてで「0.10未満」のまま動きませんでした
  • 数字が出ないのは気のせいではなく、粘膜に限られた炎症は血液に出ないことがあるためです

まずは、結果表そのものからお見せします。

※ 私個人の検査記録にもとづく体験談です。検査や治療の判断は、必ず主治医に相談してください。

潰瘍性大腸炎のCRP値|私は15か月・14回すべて「0.10未満」でした

15か月分の血液検査の結果表からCRPの値だけを抜き出して並べた画像。14回すべて0.10未満

まず、実物からお見せします。上の画像は、私の血液検査の結果表からCRPの行だけを抜き出して並べたものです。

期間は15か月。通院先での採血は14回です。だいたい月1回のペースで、薬を切り替えるタイミングでも採っていました。

結果は、14回すべて「0.10未満」。基準値は「1.00まで」なので、上限に近づくどころか、測れる下限に張りついたまま、一度も動きませんでした

この「0.10未満」が何を意味するのか。まず、CRPという数字そのものから説明します。

CRPとは|血液検査でわかる炎症の数字

血液検査の結果表のいちばん上にあるCRPの行を赤い枠で示した画像

CRPとは、体のどこかで炎症が起きると、血液の中に増えるタンパク質です。肝臓が作っています。

病院で採血をすると、ほぼ毎回この項目が測られます。私の通院先の結果表では、いちばん上の行がCRPでした。単位はmg/dLで、基準値は検査機関によって少し違います(私の通院先は「1.00まで」、精密検査の会社は「0.30以下」でした)。

数字が大きいほど、体の中で強い炎症が起きているサインになります。いちばん基本の、炎症の数字です。

ところが潰瘍性大腸炎では、この基本の数字が当てにならないことがあります。次は、その仕組みです。

潰瘍性大腸炎でCRPが上がらない理由

大腸の粘膜に限られた炎症は血液に映りにくいことを示した図

CRPは、全身の炎症を映す数字です。裏を返すと、炎症が体の一部にとどまっているあいだは、血液まで数字が届かないことがあります。

潰瘍性大腸炎の炎症は、大腸の粘膜(腸のいちばん内側の、薄い層)に限られています。だから腸で炎症が続いていても、CRPが基準値の中に収まってしまうことがあるのです。

同じ腸の病気でも、クローン病は腸の壁を深くまで通る炎症です。それと比べて、潰瘍性大腸炎はCRPが上がりにくいとされています。

※ 日本消化器病学会 IBD診療ガイドライン2020(CRP・赤沈は潰瘍性大腸炎の腸の状態と合わないことがある)、IBDプラス 医師インタビュー(2023年)など。上がり方には個人差があります。

そして、この仕組みには続きがあります。数字が出ないあいだも、症状のほうは動いていました。

CRPが陰性なら大丈夫?|潰瘍性大腸炎では症状と連動しませんでした

検査の数字と症状が食い違うことを示した図

症状が悪くなっても、CRPがそれに合わせて上がるわけではありません。潰瘍性大腸炎を診ている医療機関の解説にも、「CRPが陰性だから大丈夫、とは言えない」と書かれています。

※ あんどう消化器内科IBDクリニック「新しいのは治療薬だけではありません」(ブログ)より。

だから、検査の数字と同じくらい、あなたの症状そのものが大事な情報です。数字が正常でも症状が続いているなら、それは診察で伝えるべきことです。

すぐ試すなら

排便の回数・血便の有無・腹痛を1週間ぶんメモして、次の診察でそのまま見せてください。数字に出ない分は、記録が代わりになります。

検査の数字が正常でも、血便や症状が続いているときは受診してください。また、数字が落ち着いて見えても、自己判断で薬をやめないでください。

数字が出ないことと、腸が落ち着いていることは、別の話です。そこで次は、CRPの代わりに腸の状態を見られる検査を紹介します。

血液検査で「異常なし」のとき|便中カルプロテクチンと内視鏡で見る

便中カルプロテクチン・便潜血・LRG・内視鏡という4つの方法を横に並べた図

血液のCRPの代わりに腸の状態を見る方法は、大きく4つあります。

便中カルプロテクチン

何を見るか
便の中の、炎症で出るタンパク質
特徴
腸の炎症を直接映す。保険で受けられます

便潜血

何を見るか
便に混ざった血の量
特徴
血便の程度が数字に出る。安く、細かい間隔で受けられます

LRG

何を見るか
血液の、別の炎症タンパク質
特徴
CRPで見えない炎症を補う新しい血液検査

内視鏡

何を見るか
腸の粘膜そのもの
特徴
直接見て確かめる検査。体への負担はいちばん大きい

私の場合、LRGは測ったことがありません。使ってきたのは便中カルプロテクチンと便潜血です。数字を見る軸をこの2つに置くことは、漢方で通っていた広島の先生から教わりました。

※ 日本消化器病学会 IBD診療ガイドライン2020は、寛解期の潰瘍性大腸炎ではCRP・赤沈が内視鏡の状態と合いにくく、便中カルプロテクチン・便潜血が有用としています。

内視鏡は、診断や節目の確認に欠かせない検査です。そのうえで私は、ふだんの状態を追う数字として便の検査を軸にしてきました

便中カルプロテクチンの数字が、どこからどこまで動いたかは、別の記事にまとめています。

便中カルプロテクチンの実測値は、この記事に書いています

便中カルプロテクチンとは|潰瘍性大腸炎の私の実測値824→25.5

血液検査に炎症が出ない私の腸の状態は、便中カルプロテクチンにはっきり出ました。

カルプロテクチンの記事を読む

血液検査は「異常なし」、内視鏡は重症|私が診断されるまで

血液検査では異常なし、内視鏡では重症、という流れを示した図

最初に病院にかかったとき、私はひどい血便が続いている状態でした。そこで血液検査を受けましたが、炎症の数字は出ませんでした。そのため医師からは「じゃあ大丈夫ですね」と言われ、様子を見ることになりました。

その後、仕事の研修で遠方に行く予定があり、そのまま出かけました。研修のあいだも血便はひどく、体もだるいままでした。帰ってから同じ病院で内視鏡を受けて、重症の潰瘍性大腸炎と診断されました。

血液検査では「異常なし」。内視鏡では重症。この2つを同時に経験してから、私は自分の体を「血液検査に炎症が映らないものなんだ」と認識するようになりました。

以降の血液検査は、炎症を見るためではなく、薬の副作用(肝臓の数字)を見るために使っていました。実際、15か月の結果表で肝臓の数字は、ずっと基準値の中でした。

それでも主治医は、ふだんの検査より細かい精密検査を、何度か入れていました。血液を精密に測ったら、炎症の数字は出たのか。

ここから先は会員限定で、その精密検査で出た数字と、その15か月のあいだに体で何が起きていたか、主治医から何と言われたか、そしてこの「出ない数字」があとから思わぬ場所でどう扱われたかを書きます。

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よくある質問

Q. CRPが正常なら、潰瘍性大腸炎は落ち着いているということですか?

A. 私の場合は、そうではありませんでした。CRPは全身の炎症を映す数字なので、大腸の粘膜に限られた炎症では上がらないことがあるとされています。症状・便検査・内視鏡と合わせて総合的に判断されます。

Q. 潰瘍性大腸炎でCRPが上がらないのはなぜですか?

A. 潰瘍性大腸炎の炎症は、大腸のいちばん内側の粘膜という薄い層に限られることが多く、血液まで炎症の数字が届かないことがあるとされています。クローン病に比べて上がりにくいことも知られています。

Q. 血液検査だけで潰瘍性大腸炎はわかりますか?

A. 血液検査だけでは診断できません。私は血液検査で炎症の数字が出ないまま、内視鏡で重症と診断されました。便検査や内視鏡と組み合わせて総合的に判断されます。